本書で筆者はまず変わりゆくアメリカを示している。白人優位、工業超大国、大統領選挙の変化であった。そして、筆者はこの背後には、金融カジノ資本主義への反発と連邦議会・大統領府に象徴される政治に対する反発と反逆があるという。さらには、ソフト・パワーも失われ、覇権国ではなくなった。

 何より言っておかなければならないのは筆者は憲法9条擁護および辺野古基地反対という立場なのである。平和安保法制にももちろん反対である。軍事についてあまり知らないようだ。地理は終わりません。飛行場・港湾・兵站基地は???軍事音痴の国際政治学者は頓珍漢なことを言う。あと、経済というか産業についてもこの人は最新情報を知らない。例えば、スマホ。これは、最新のゲームができないとダメなんで格安スマホじゃダメなんです。

 新書のせいか内容が薄い。なかなか視点としては面白いが、内容は新鮮味に欠ける。さらにいえば、米国の最新の国際政治学に触れているかすら疑問を持つ米国の一流学者が出した本や論文を読んでいるのだろうか???)。1米国の覇権は中国が経済的に追いつけるか疑問が生じた点(中国の水増しGDP、工業強国でない点、電気消費量等で見れば実際のところ5%前後の成長率)、2国際秩序(例えば、航行の自由)を中国が作れていない(世界的に)点、3世界的な覇権国となることは不可能(例えば同盟国網)である点、4技術的に遅れている点、5一人当たりのGDPが先進国とはいえない水準にある点、6軍事力とその源泉である経済力に鈍感な点があげられよう。ソフト・パワーも中国は重視しているものの、人権・法の支配・民主主義より大きく劣る。孔子平和賞など誰も評価しまい。